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アナウンサーはAIに代替される仕事なのか?

カテゴリ:業種/職種別利用シーン


AIの進歩が目覚ましい今日では、従来ならばAIが実行できないとされてきた仕事が実行できたという報道を目にする機会が少なくありません。そうした報道のひとつとして、AIアナウンサーの登場があります。本記事ではAIアナウンサーの事例を紹介したうえで、アナウンサーという仕事がAIに代替されてしまうものなのかどうか検討してみます。

中国メディアがリアルなAIアナウンサーを披露

2018年11月7日、中国国営メディア「新華社通信」は、AIアナウンサーがニュースを読み上げる動画を公開しました。その姿はスーツを着た成人男性で英語ニュースを読み上げていたのですが、一見するとまるで本物のヒトが話しているようでした。 

実のところ、AIを実装したキャラクターにニュースを読み上げてもらうと試みは、日本でも事例があります。例えばNHKは今年4月からニュース番組「ニュースチェック11」にAIアナウンサー「ニュースのヨミ子」を登場させています。また、TBSは今年10月より素材サイト「いらすとや」の素材を活用したAIアナウンサー「いらすとやキャスター」を登場させています。
 

ニュースのヨミ子やいらすとやキャスターは、新華社通信が登場させたAIアナウンサーと比較すると本物のヒトにはあまり似ていないマンガ調の外見をしています。いわゆる「フォトリアル」なAIアナウンサーにしなかったのは技術的な問題があったのでしょうが、あえてマンガ調にすることで「不気味の谷」(CGやロボットがある限界を超えてヒトに似てくると不気味な存在のように感じられること)現象を回避しているとも解釈できます。

アナウンサーはAIに代替される職業なのか?

以上のようなAIアナウンサーは、将来的にはヒトのアナウンサーにとって代わる存在なのでしょうか。近年、AIが既存の仕事を代替するという話題は繰り返し議論されていますが、そうした議論のほとんどは「AIに代替されやすい仕事とそうでないものがある」という結論に至ります。そして、AIに代替されにくい仕事はクリエイティブでコミュニケーションスキルが要求されるもので、反対に代替されやすい仕事は定型的で繰り返しの多いもの、と言われます。
 

以上のような議論をふまえると、決められた原稿を読み上げるアナウンサーという仕事はAIに代替されやすいように思われます。しかし、現実にメディアで活躍しているアナウンサーが担っている仕事は、原稿の読み上げだけではありません。アナウンサーとは、単にニュースを伝えるだけではなく各メディアの顔あるいはイメージを担う存在でもあるのです。そして、こうしたメディアの顔としてのアナウンサーは、メディアの信頼性をも司ります。言ってみれば、アナウンサーとは「信頼あるメディアの顔」という役柄を演じるという重要な仕事をも担っているのです。こうしたアナウンサーの役割は、容易にAIで代替されないでしょう。

 

AIアナウンサーに限らず、最近では小説の執筆や絵画の制作のようなクリエイティブな仕事をAIに実行させたという事例がしばしば報告されます。しかし、こうした事例が報告されたからといって、直ちにクリエイティブな仕事がAIに代替されることは起こらないでしょう。こうした事例のほとんどが、実のところ、ヒトが開発したアルゴリズムをAIが実行しているだけなのです。AIは確かに進化していますが、センセーショナルなAIに関する報道に関しては鵜呑みにせずに、その内容の吟味が不可欠でしょう。

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