アメリカ弁護士のエリート助手はAI!

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AIは、カスタマーサポートに導入されているFAQに対応するチャットボットに見られるように、比較的定型的な業務の遂行においてその威力を発揮します。しかし、最近では法的契約書のチェックのような専門的知識にもとづいた判断が求められる業務にも、AIが進出しています。本記事では、こうした法務に導入されたAIの事例を紹介します。

36万時間の作業時間を大幅に減らすJPモルガンの「COIN」

アメリカ金融機関大手のJPモルガンは、2016年6月より契約書の内容をチェックする作業を「コントラクト・インテリジェンス」(Cotract Intelligence:略して「COIN」)というAIプログラムに実行させています。

同プログラム導入以前には、契約書のチェックは法律関係者や融資担当者といったヒトの専門家が行っていました。こうした作業に年間36万時間もの時間を費やしていました。ところが、同プログラムを導入した結果、チェック作業が数秒で完了するようになりました。しかも、チェックを実行するのがAIなので、365日24時間稼働することができます。

こうした成果をうけて、同行はクレジット・デフォルト・スワップのようなより複雑な業務についてもAIプログラムを導入することを計画しています。

JPモルガン以外のアメリカ大手金融機関も、近年、AIを業務に導入する動きを加速化させています。例えば、ゴールドマン・サックスは、2014年にAIスタートアップであるKenshoに1,500万ドル(約17億円)を投資しました。Kenshoは、各種経済白書を学習データとして6,500万件以上の質問事項に即座に回答するAIを開発しています。

契約書のリスクを分析する「AI-CONレビュー」

GVA法律事務所は、契約書に潜むリスクを評価するAIサービス「AI-CONレビュー」を提供しています。

契約書には様々な免責事項が書かれているものですが、こうした免責事項になかには契約した企業にとって著しく不利となる内容であるものもあります。しかも、免責事項は時として判読しにくい小さい文字で書かれており、内容の確認作業が困難である場合もあります。

AI-CONレビューを使うと、AIがこうした契約書に潜むリスクを判定し、そのリスクを可視化してくれるのです。使い方は非常に簡単で、調査したい契約書をアップロードするだけです。調査結果は、1営業日以内に判明します。調査結果を見ると、企業にとって不利な条項あるいはリスクの大きい条項を確認することができます。

実際に同サービスを導入している法律事務所の話によると、同サービスを導入したことによって、契約書の確認のような単純で付加価値の低い業務をAIに任せることで、付加価値の高い業務に集中できるようになった、とのことです。

不正調査を効率化する「AIリーガルボット」

AOSリーガルテック株式会社は、企業内で発生する不正の調査をサポートするチャットボット「AIリーガルボット」を提供しています。

同チャットボットは、例えば残業時間が多いのに成果が少ない社員が、残業時間中に業務とは関係のないことに取り組んでいないかどうか調べたい、というような調査を行うときに利用します。

まず調査対象となる社員に関するトークルームを作成します。そして、同チャットボットに対して、調査対象となるデータ(メール履歴やアクセス履歴)を読み込ませます。ついで同チャットボットに対して、「不正なWebアクセスはありませんか」と質問すると不正アクセスと推測されるアクセス情報が一覧表示されます。

さらに決定的な不正の証拠をつかむために、調査対象の社員が保存していた画像と不正アクセスしたWebサイトに掲載された画像が一致していないかどうか、という観点で調査を続けます。もしチャットボットのAIが一致を検出したら、不正アクセスおよび不正行為が疑われる確かな証拠となります。

なお、AOSリーガルテック株式会社は司法関連業務にソフトウェアを導入する「リーガルテック」を推進したことによって、第10回ニッポン新事業創出大賞において経済産業大臣賞に輝きました。

 

以上のように司法業務のような伝統的かつ専門的な業務においても、AIの導入は進んでいるのです。そして、法務へのAIの導入は、専門家の仕事を奪うのではなく、むしろ専門家が付加価値の高い仕事に集中する助けとなるのです。

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