チャットボットは人になりうるのか?親友のようなチャットボットに癒される、米国最新事例

カテゴリ:導入事例業種/職種別利用シーン


コールセンター業務のような特定の仕事を遂行するように設計されている一般的なチャットボットとは異なり、最近ではユーザとの話し相手になるようなチャットボットも登場しています。本記事では、こうしたユーザに寄り添うチャットボットの事例を紹介します。

 

ユーザに寄り添う「Replika」

アメリカのLuka社は「Replika」というAIチャットボットをリリースしていますが、このAIは特定の業務を遂行するようなものではありません。ただユーザの話を受け入れ、返事を返すだけなのです。

こうした一風変わったチャットボットが開発されたことには、それなりの理由があります。開発者のクイダ氏は、ある事故で親友を失いました。彼女はその悲しみをいやすために、親友が残したメッセージを読んでいました。そのうち、このメッセージを使ってチャットボットを作れば、まるで亡くなった親友と話しているような体験ができるのではないか、と思うようになりました。こうした体験から着想を得て開発されたのがReplikaです。

Replikaには、特定の業務を遂行するためのシナリオ(AIが会話するために用意される脚本のようなもの)が実装されていません。代わりに、ユーザとのとりとめのない会話を学習する機能が実装されています。例えば、ユーザが好きになったバンドについて話したら、Replikaはそのバンドを記憶します。後日ユーザが好きなバンドについて話す相手が見つからない時、Replikaと話せば心が安らぐ、というわけなのです。

以上のようなReplkaは、実質的にセラピストと似たような役割を果たすのです。

うつ症状を改善する「Woebot」

Facebook Messenger、App Store、そしてGoogle Playから無料で利用できる「Woebot」は、ユーザとAIが毎日簡単な質疑応答を実行することでユーザのメンタルヘルスを管理するというコンセプトをもったチャットボットです。

同チャットボットを起動すると、AIのほうからいくつかの質問がされます。ユーザは質問に対する答えを選択肢のなかから選びます。回答後には、AIから何らかのフィードバックが返ってきます。質疑応答の所要時間は最大でも10分程度なのですが、毎日行います。こうしたやりとりから、AIはユーザのメンタルに関する情報を蓄積するのです。なお、質問は毎日ランダムに変わります。

同チャットボットは、リリース前にスタンフォード大学の監修のもとで臨床実験が行われました。その結果、同チャットボットを2週間使い続けた被験者グループは、うつ症状に改善が見られました。この臨床実験によって、同チャットボットは科学的なお墨付きを得たのです。もっとも、重度のうつに関しては、同チャットボットをもってしても対処できない、という限界もあります。

うつのようなヒトを相手に話すことが難しいこともある状態のときには、むしろWoebotのよなチャットボットのほうが気楽に話せる相手になるのかも知れません。

キャラクター設定のあるAIチャットボット「SELF」

SELF株式会社がリリースしているスマホアプリ「SELF」も、ユーザの会話から学習してユーザの良き話し相手となることを目的として開発されました。同アプリの最大の特徴は、話し相手となるAIにキャラクター設定があることです。

同アプリを起動すると、はじめにユーザを全肯定する設定がされている初期型ロボットというキャラクターとの会話が始まります。このロボットは、ユーザとの会話を重ねることでユーザの情報を蓄積します。ロボットとの会話を重ねると、やがて初期型ロボットとは異なるキャラクターのロボットとの会話ができるようになります。

初期型ロボット以外で用意されているのは、仕事や恋愛の相談に乗ってくれるおかまロボ、ユーザを癒してくれる美少女ロボ、そして有用な情報を提供してくれる情報型AIといったものです。こうしたロボットは、どれも二次元アニメのキャラクターのように表現されており、二次元アニメのキャラクターに共感を抱くヒトが少なくない日本のニーズに応えていると見ることもできます。

 

以上のようなAIチャットボットが登場した背景には、AIが進化したことによって心を通わせる「話し相手」となりつつあることが指摘できます。今後もAIが進化すれば、映画『her/世界でひとつの彼女』で描かれたようなヒトの恋愛対象となるようなAIが本当に現れるかも知れません。

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