チャットボット改善のためのAIスタートアップを買収した米国事例

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現在のようにAIが急速に進化する前においては、AIは極めて限定された範囲でしかヒトと会話できませんでした。しかし、最近では多様な意味の広がりのあるヒトの意図を理解するAIやロボットが開発されています。本記事では、こうしたヒトの意図を汲み取るAIとロボットの事例を紹介します。

Facebookが買収したOzlo

 SNS最大手のFacebookは、2017年8月、AIスタートアップ企業のozloを買収しました。この買収の目的は、Facebookが開発するメッセンジャーアプリ「Facebook Messenger」を改善するためと見られています。

 買収されたozloは、2016年10月にiOSアプリ「ozlo」をリリースしていました。同アプリは、ユーザがAIと会話することによってユーザが求めているレストランをおすすめするチャットアプリでした。例えば、ユーザが団体客でもOKなレストランがいい、とチャットで入力すると、同アプリは入力された条件を満たすレストランをおすすめしてくれるのです。

同アプリが対応できる条件は多岐にわたり、(イスラム教徒のヒトのような)厳格な食事制限はもちろんのこと、天気予報や映画上映リストといったレストランのある地域に関するお役立ち情報をも考慮するようになりました。
 以上のような同アプリの柔軟な会話対応能力が、AIをSNSに活用することを推進しているFacebookの目にとまり、買収にいたったのです。

ユーザから真のニーズを聞き出す「Ladadie」

 老舗電子機器メーカーの沖電気工業株式会社は、以上の「ozlo」AIとよく似た機能をもったAI会話エンジン「Ladadie」を開発・提供しています。
 同エンジンの特徴は、AIが一問一答形式で決まりきった回答を返すのではなく、「ラダリング会話」と呼ばれる会話を通してユーザの真のニーズを探りだして回答するところにあります。

ラダリング対話とは、ちょうど熟練したコンサルタントやカスタマーサポート・スタッフのように一連の会話のなかからユーザの真のニーズを絞り込んでいく会話を意味しています。例えば、同エンジンを実装した光回線サービスのカスタマーサポートのチャットにユーザが問い合わせ場合、まず「ご質問をどうぞ」と表示されます。ユーザが「料金」と入力すると、「何の料金についてお知りになりたいですか」と返答されます。ユーザがさらに「入会料金」と入力すると、光回線サービスの入会料金の案内が表示されるのです。

 同エンジンの応用範囲には、例にもあげた各種カスタマーサポート・サービスのほか、チケット券売機のような専用端末組込システムが考えられます。どの分野に応用されても、人件費の削減が期待できるでしょう。

ヒトの意図を読み取るロボットの研究

 ozloのAIと沖電気のAI会話エンジンは、多様な意味の広がりのあるヒトの意図をAIによって汲み取ろうとする取り組みと言えます。こうしたヒトの意図を汲み取る試みは、AIを実装したロボット開発でも行われています。

 ポルトガルにあるリスボン大学所属のポール・シュイドロ氏が率いる研究チームは、ヒトの姿勢や身振りから次の行動を予測するロボットの研究を進めています。こうしたヒトの行動を予測するシステムには、音声認識技術で使われているリカレントニューラルネットワーク(RNN)が応用されています。

RNNは、複数の発音からひとつの意味のある単語を認識できるように、時系列の情報を処理できるAIの機械学習のひとつです。RNNがヒトの行動を予測するのに使われるのは、ヒトの直前の姿勢や身振りを学習データとして次の行動を予測する機械学習が可能だからなのです。
 同チームの研究は、近い将来ヒトとロボットが同じ職場で働く場合、ロボットが安全かつ迅速にヒトをサポートすることを実現するうえで不可欠なものと言えます。
 
以上のように、AIおよびAIを実装したロボットは次第にヒトの多様な意図を理解するようになって来ています。近い将来、AIはヒトをサポートする「良き隣人」になっていても驚くことではありません。

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