ボットによるオンラインショッピングの混乱とその対策

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有名アーティストのライブチケットは、しばしば数十秒で完売してしまいます。こうした事態は、実のところ、ファンがチケット購入に殺到しているのではなくボットによる大量購入に原因があります。本記事では、こうしたボットが登場した歴史を振り返ったうえで、ボット対策についてまとめていきます。

はじまりはNikeから

オンラインショッピングにおけるボットとは、購入操作を自動化して目的のアイテムの購入を迅速かつ自動化する目的で開発されたプログラムのことを意味します。こうしたボットは、もともとは限定アイテムを確実に購入したいという熱狂的なファンが自主的に開発したところから始まりました。

ボットが注目されるようになったのは、2012年にNikeがエアージョーダン9のドーレンベッカーモデルをリリースした時と言われています。このモデルのリリース時に、同社は同モデルに関するツイートにリプライすれば予約できるというキャンペーンを実施しました。テック系のスニーカー愛好者は、このキャンペーンに注目しツイッターAPIを使って自動返信プログラムを開発したのでした。そして、プログラムは予想通りに機能して、同モデルはかつてないほど短時間で完売しました。

 

以上のようなボットは、頻繁に限定商品をリリースすることで有名なストリートファッションブランドのSupremeの商品購入にも利用されるようになりました。そして、同ブランドの商品購入にボットが利用され始めた2013年頃には、ボットを利用した購入サービスを販売する非公式なビジネスが誕生したのでした。

公的なボット対策の広がり

オンラインショップの商品を短時間で大量に購入し、購入した商品を転売するボットビジネスがオンラインショッピングの公平性を大きく毀損することは明らかです。ボットビジネスは規制されてしかるべきなのですが、規制に際して注意する点があります。その注意点とは、フリマアプリ「メルカリ」のようなヒトのユーザ間で物品を売買する行為まで規制すべきではない、ということです。規制は、商品購入を独占し高額で売りさばくボットビジネスだけを対象にすべきなのです。

 

ボットビジネスの規制に関しては、2016年12月15日、当時のアメリカ大統領であったオバマ氏はボットビジネスを禁止する「ベター・オンライン・チケット・セールス・アクト(BOTSアクト)」に署名しました。アメリカでは、アデルのような有名アーティストのライブチケットがボットにより高額で転売されていることが社会問題となっていました。

日本でも日本音楽事業者協会をはじめとした4つの音楽団体が協力して、2017年5月10日、公平にチケットを売買するサービス「チケトレ」を開始しました。同サービスは、チケット購入時の価格でチケットを売買することを保証することを目的としたサービスです。つまり、同サービスを使えば高額な転売チケットを買わずに、公式にチケットを購入できる、というわけです。

ボットを検出するテクノロジーの開発

すでに紹介したボットビジネス対策は、ボットによる商品の大量購入自体を撲滅するまでのちからはありません。あくまでボットビジネスを取り締まったり、ボットによる転売に頼らない体制を整えているに過ぎません。しかし、最近ではボットによる自動購入自体を標的にできるテクノロジーが開発されています。

チケット販売サイト「e+(イープラス)」は、2018年8月23日、クライド・セキュリティ企業のアカマイ・テクノロジーズ合弁会社のボット対策製品「Bot Manager Premier(BMP)」を導入したことによって、ボットによるチケット大量購入の対策が大きく改善されたことを発表しました。

同製品を導入後、30日間におけるイープラスのアクセスを解析したところ、チケット購入アクセスの9割以上がボットによる自動購入であったことが判明しました。同製品を活用すれば、検出したボットによる購入動作をブロックすることが可能となります。

 

以上のようなボットビジネス対策は、今後も続くと考えて間違いないでしょう。というのも、ボットにAIを導入することによって、チケットの自動的な大量購入がさらに巧妙化する懸念があるからです。こうした巧妙化するボットに対抗できるのも、AIをおいて他にないでしょう。

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