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位置情報(Beacon)を活用したチャットボット

カテゴリ:導入事例業種/職種別利用シーン


チャットボットと言えば、カスタマーサポートのようなオンラインなサービスに利用されているという印象があります。しかし、位置情報と組み合わせることによって、リアルなニーズに対応するチャットボットがあります。本記事では、こうした位置情報を活用したチャットボットの事例を紹介します。

「OK SKY」と「Beacon Bank®」のコラボ

 2017年8月、チャットボット「OK SKY」を開発・提供する株式会社空色(以下、空色と略記)とオフライン行動プラットフォーム「Beacon Bank®」を運営する株式会社unerry(以下、unerryと略記)は業務提携を締結したことを発表しました。

 ビジネスにおいてオムニチャネル化を目指す企業は数多くありますが、まだ成功事例は多くはありません。成功事例が少ない理由として考えられるのが、ネットにオンラインでないオフライン状態での顧客の行動を把握できていないことがあります。つまり、顧客がどういうリアルな行動のコンテクストのなかでどんなチャットでの接客を必要としているのか、あるいはチャットを起動するきっかけが何であるかを正確にはわからなかったのです。

 以上のような潜在的な価値のあるオフライン状態での行動データを収集するために、空色はBeacon Bank®を運営するunerryと業務提携しました。オフラインにおける顧客の行動分析が活用できれば、例えばアパレルショップにおいては試着室からのチャット利用が多い、といった意外な行動情報をチャットの改善に生かせるようになります。

「鎌倉 NAVITIME Travel」

 株式会社ナビタイムジャパンは、2017年2月21日より、観光情報ガイドアプリ「鎌倉 NAVITIME Travel」を提供しています。
 同アプリの画期的な特徴は、ユーザインタフェースをチャット形式にしたことです。従来のガイドアプリでは、目的やエリアを入力することでユーザが欲しい情報を絞り込んでいく検索に最適化されたユーザインタフェースが主流でした。ところが、同アプリはチャット形式を採用したことで、ガイドアプリに気軽に相談できるようにしたのです。

 例えば、同アプリのチャット画面で「和食のランチが食べたい」と入力すると、和食のランチを提供している飲食店の候補がチャットで返ってきます。こうしたアプリ体験を支えているのは、同社が独自に開発した自然文解釈エンジンとマイクロソフトのクラウドプラットフォームです。同アプリは英語にも対応しているので外国人観光客も使用でき、さらには「I would like to go to鶴岡八幡宮」のような英語と日本語が混在したチャットも理解できます。

 同アプリは、旅行客の側にいつもいる専属旅行コンシェルジュのような存在を目指して、今後もサービス向上を続ける予定です。

箱根水道パートナーズの業務用チャットボット

 箱根一帯の水道事業を管理している箱根水道パートナーズは、漏水箇所の修繕時に現場の状況を共有する目的でチャットボットアプリを導入しました。

 チャットボット導入前の漏水箇所修繕業務では、漏水箇所を発見すると電話で事務所に連絡していたのですが、電話だけだと現場の状況が把握しきれず、デジカメで画像を撮影しても情報共有までに多くの時間を要していました。

 以上のような課題を解決するために、画像をグループ単位で即時に共有するツールとして採用されたのがチャットボットアプリでした。カスタマイズした機能はふたつあり、ひとつめは漏水現場から送信された画像や位置情報から、位置情報の緯度経度、住所、地図データなどを自動生成するものです。ふたつめのカスタマイズ機能は、送られてきた位置情報をもとにして、同社が水道管理に使っている地図台帳から漏水現場のメッシュ番号とブロックの位置を示した図を自動生成するものでした。

 以上のような業務用チャットボットアプリを導入したことによって、同社は漏水の報告を受けた直後に修繕に必要な情報を共有できる体制を築くことに成功しました。この体制になってから漏水報告を受けると、すぐに修繕に必要な整備備品を揃えて現場に向かうことができるようになりました。

以上のようにチャットボットと位置情報を組み合わせて利用すると、リアルに発生するニーズによりきめ細かく対応することが可能となります。将来的には、複数のチャットボットが同じ位置情報を共有して、チャットボット相互の連携も実現するかも知れません。
 

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