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AIが不正取引を検知する

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ECサイトにおける不正取引の防止と検知は、オンラインショッピングを基幹業務とする企業にとっては非常に重要なタスクと言えます。こうしたタスクにもAIの導入が進んでいます。本記事では、マイクロソフトが提供するAI機能を活用した不正検知を紹介します。

Automated ML機能で簡単実装

インフォニア株式会社が運営する「不正対策.com」は、2019年7月17日より、日本マイクロソフト株式会社が提供するクラウドプラットフォーム 「Microsoft Azure」を活用し、Web取引に関する不正データを自動的に検知するシステムのPoC(実証実験)を開始したことを発表しました。

「不正対策.com」とは、顧客に対して個体識別番号を付与することによって不正行為を防止・検知するサービスです。同サービスはすでに多数の企業が導入しており、例えばある健康食品会社においては同サービスを導入した結果として不正取引対策費を月あたり250万円削減できたという実績があります。このように目覚ましい導入実績はあるものも、不正行為が複雑化する昨今の状況を鑑みて、AIによる不正行為の検知機能を実装することとなりました。

AI機能の実装にあたっては、マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」のAutomated ML機能を活用しました。この機能は「Auto」という言葉が付けられていることからもわかるように、AI機能を半ば自動的に実行するものです。自動的に動作するため、実装時にはAIに関する専門知識は不要となります。

以上のような不正対策.comのAI機能は、導入を希望する企業に一定期間無料で利用してもらった後に、本格導入に移行する予定となっています。

AIと不正検知

ところで、AIはどのように不正を検知しているのでしょうか。この疑問に答えるためには、近年のAI技術で主役になっていると言える機械学習とディープラーニングについて知る必要があります。

機械学習とディープラーニングは、どちらも売上高や取引書類といった大量のデータからそのデータの特徴を学習することで何らかのタスクを実行するアルゴリズムのことを意味しています。データの特徴学習を共通点として、機械学習は特徴を抽出する観点をヒトが指定するのに対して、ディープラーニングは観点自体もアルゴリズムが自動抽出するという違いがあります。

データの不正を検知するアルゴリズムでは「教師あり学習」という技法が使われます。この技法においては、「正常」を意味するラベルが付与された大量のデータから特徴を学習することによって、どんなデータが「正常」なのかを判定する基準が確立されます。そして、この正常と判定する基準と合致しないものが「不正」と見なされるのです。つまり、不正検知というタスクではデータを「正常」か「不正」のどちらかに分類することが行われているのです。

以上のようなAIによる不正検知は、ECサイトの不正取引検知だけではなく工場の不具合製品の検知や疾病の検出にも応用されています。不正検知のような言わば裏方の仕事においてAIが実装されることで、AIは確実に社会インフラとしての機能を果たしつつあるのです。

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