AIは土木でも!こんなところにもAI技術

カテゴリ:導入事例


AIの普及は、画像認識や音声認識が関連するソフトウェア産業から進んでいます。しかし、AIが活用されているイメージが沸きにくい建設業界にもAIの導入は進んでいるのです。本記事では、こうした建設業界におけるAIの導入事例について紹介します。

ディープラーニングを使って岩盤強度を評価する

日本システムソフトウェア株式会社は、2016年9月20日、ディープラーニングを活用してトンネル工事における岩盤強度の評価を行う画像解析サービスの試験運用の開始を発表しました。このサービスは、建設業者の安藤ハザマが実施するトンネル工事において採用されました。
 
同サービスは、Googleが提供するオープンソースの機械学習エンジンであるTensorFlowを活用しています。具体的には、ディープラーニングの手法のひとつであるCNN法(Convolutional Neural Network)によって岩盤の画像をAIに学習させ、そのAIがトンネル工事現場における岩盤の画像から岩盤強度を評価するのです。AIの学習には数万枚もの岩盤の画像を使ったことで、岩盤強度の評価精度は8割に達しました。
 
同サービスは、岩盤強度の評価以外にも、製造業における品質管理、各種機器の劣化判定、さらには医療現場における画像解析等にも順次応用され、3年以内に100件の導入を実現することを目指しています。

AIを使って路面の空洞を探す

川崎地質株式会社は、2017年9月4日、富士通株式会社が提供しているディープラーニング・サービス「Zinrai」を活用した路面下空洞解析技術の提供を開始することを発表しました。
 
道路の陥没の原因となる路面下の空洞は、路面に電磁波を照射して、その電磁波が跳ね返ってくるときの反射波形を評価することで発見することができます。反射波形を見ることによって、路面の埋没物に過ぎないのか、あるいは発見すべき路面にできた空洞なのかを区別するのです。しかし、こうした従来の方法は、多大な時間と費用がかかるうえに、反射波形の評価は熟練した技術者が行うので、評価できる人数も限られ、またヒューマンエラーを避けることができませんでした。
 
以上のような現状を改善するために、同社は多種多様な地下埋没物と路面下空洞に関する反射波形を学習データとしてAIに機械学習させ、多様な反射波形から路面下空洞の波形を検出できるAIを開発しました。このAIを使って検証実験を試みたところ、ヒトの専門技術者と同等の検出結果が得られたうえに、判定時間をヒトと比べて10分の1にまで短縮することに成功しました。

同社は、今後は路面下の調査時にAIが空洞判定結果を出力するリアルタイム解析の技術開発を進めていきます。

国土交通省が推進する「i-Construction」

2020年に東京オリンピックの開催が予定されている現在、建設業界は好景気に沸いています。しかし、その一方で深刻な人手不足にも直面しています。なかでも建設現場を管理する45~55歳の中堅層の人材不足が深刻となっています。この年齢層の人材が不足している原因は、1980年前後にあった建設不況で新規雇用を控えたからだと言われています。こうした建設業界の人手不足を解消するために、国土交通省が提唱した政策が「i-Construction」です。この政策は、簡単に言えば、AIやドローンをはじめとする最新テクノロジーを駆使して人手不足を解消しよう、というものです。同政策の発表をうけて、大手ゼネコン各社は、業務を効率化する最新システムの開発を進めています。
 
大手ゼネコンの鹿島は、BIMとAIを組み合わせて、コストや納期といった建設工事に関する基本情報を入力すると複数の施工計画を数分で出力できるシステムを数年以内の実現を目指して開発しています。このシステムで使われるBIMとはBuilding Information Modelingの略称で、建設物の3次元モデリングデータにコストや建設スケジュール等の施工情報を付加したデータセットを活用する建設手法を意味しています。

また、大林組は工事現場を撮影した画像をAIが解析して、建設進捗を測定する「行程認識AI」を開発しています。工事現場の撮影をヒトではなくドローンで行えば、人手を省いても正確に建設進捗を測定するシステムを構築できることが期待されています。

 

以上のようにAIが活用されているイメージが沸きにくい建設業界においても、AIは変革を起こしつつあるのです。現在より実用的かつ優秀なAIを実装したロボットが誕生すれば、そうしたロボットが建設現場に進出することによって、建設業界の「AI化」がさらに新しい次元に突入することでしょう。

 

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