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採用にも活用されるAI

カテゴリ: 成功の秘訣やポイント


「ヒトを見抜く」業務である採用活動は、長らくヒトの経験がものを言うと思われてきました。しかし、こうした採用活動にもAIやチャットボットを活用する事例が増えてきています。本記事では、こうしたAIやチャットボットを活用した採用活動の事例を紹介します。

指の動きから性格診断するAI「GROW360」

 Institution for a Global Society株式会社は、従来の履歴書や面接では見つけにくいけれども成長が見込まれる人材をAIを活用することで採用するリクルーティング・サービス「GROW360」を提供しています。

 従来のエントリーシートや履歴書に関しては、すでに書き方を指南する書籍やブログ記事が氾濫しており、文字通りに受け取るわけにはいきません。また、面接についても面接官の主観を排除するのは難しく、企業が本当に望む人材ではなく面接官の好みが優先されてしまうことが少なくありません。

 同サービスでは、従来の人材採用の弊害を克服するためにAIを活用した人材評価法「コンピテンシー評価」を提供しています。この評価法では、スマホを使って採用企業が重視する能力に対する適正を診断します。AIは回答相互の関係や回答に要した時間から回答の信憑性を算出するときに活用されます。

そのため、本来は内向的なヒトが外向的に思われるような回答をあえて選ぶ、というような浅はかな偽装行為を見抜くことができるのです。
 2017年、全日本空輸(ANA)は、同サービスを活用してインターンの採用を実施したことろ、書類だけでは見つけることができなっかった創造的な人材を採用することができました。この実績をふまえて、同社は2018年卒の事務職の採用に関しても同サービスを活用することを決定しました。

SNSから能力を抽出するAI「scouty」

 株式会社scoutyは、企業の人材スカウトを支援するサービス「scouty」を提供しています。同サービスの画期的な特徴は、履歴書を求職者のSNSから自動生成するところにあります。

 同サービスを利用するためには、求職者はまずクロール申請を行います。この申請を行うと、同サービスに活用されているAIが求職者の利用しているSNSから情報を収集し、自動的にスキルシートを作成します。人材をスカウトしたい企業は、同サービスを利用することによって自動生成されたスキルシートを閲覧することが可能となり、気になる求職者を見つけたらスカウトできるのです。

 式会社scoutyの島田代表によると、従来のスカウトメールの返信率は数%と言われているところ、同サービスにおいては約30%の求職者がスカウトメールに返信し、返信した求職者のさらに60%が面談まで進んだ、とのことです。

採用活動を自動化するチャットボット「オートークビズ」

 レグルス・テクノロジーズ株式会社は、採用活動時の面接のスケジュール調整を自動化できるチャットボットサービス「オートークビズ」を提供しています。
 採用活動における面接のスケジュール調整は、面接する人数が多くなると非常に煩雑かつ多大な時間を要する面倒な作業となってしまいます。

同サービスを活用すると、採用担当者は同サービスの管理画面から面接可能な日程を選択するだけで、その日程情報がチャットで自動的に面接希望者に告知されます。面接希望者は、チャットで面接希望日を返信するだけで面接日の調整が完了します。確定した面接日もチャットで連絡されます。

以上のような同サービスは、従来の採用活動で発生していた形式的なメールのやり取りをすべてチャットボットで代替している、と言えます。
 250以上のアパレル店舗を展開する株式会社コックスは、同サービスを活用することで採用活動に要する時間の短縮に成功し、採用選考中に離脱してしまう求職者を減らすことができました。

以上のように従来ではヒトの経験がものを言うと思われてきた人材採用にもAIやチャットボットの導入が進んでいるのです。もしかしたら近い将来、AIとチャットボットを活用していない採用活動は信用されない、という見解が常識となるかも知れません。