改めて確認したいチャットボット導入のメリットと注意点

カテゴリ: 成功の秘訣やポイント


「チャットボット元年」と呼ばれた2016年から早いもので2年が経過し、多数のチャットボット導入事例が報告されるとともに、チャットボット導入のノウハウも明確になってきました。そこで本記事では、改めてチャットボットを導入することによるメリットを整理したうえで、その導入に際する注意点をまとめます。

業務を改善する手段としてのチャットボット

チャットボットを導入することによって得られるメリットを業務改善という観点からまとめると、「24時間365日対応の実現」「人件費の削減」「接客品質の均一化」の3つが挙げられます。
 
ひとつめの「24時間365日対応の実現」とは、文字通り対応しない時間が発生しない接客の実現を意味します。チャットボットを導入すると顧客からの問い合わせに対してAIが自動的に対応するので、深夜帯のような有人オペレーターを配置するのが困難な時間帯であっても接客が可能となります。
 
ふたつめの「人件費の削減」は、チャットボットが顧客を自動的に応対することによって、有人オペレーターを雇用することなく接客機会を確保できることを意味します。こうしたヒトの業務を代替することのほかにも、チャットボットが有人オペレーターをサポートすることによって、有人オペレーターの研修費用を削減できるという効果も期待できます。
 
みっつめの「接客品質の均一化」とは、チャットボットが有人オペレーターによる接客を代替することによって、有人オペレーターによってばらつきのあった接客品質が統一されることを意味します。
 
以上のようなメリットがある一方で、現在のチャットボットの技術水準では対応が困難な事態も存在します。こうしたチャットボットの限界に対しては、有人オペレーターとのハイブリッド体制を構築することで解決できます。

顧客が親しみを感じるチャットボット

チャットボット導入によるメリットを顧客の接客体験から見ると、チャットボットは顧客に親しみを感じてもらえる接客ツールであることが指摘できます。
 
従来のオンラインショッピングにおいては、顧客は商品を選び購入するだけで、ショッピングサイト自体とのコミュニケーションは発生しません。しかし、チャットボットを導入した場合、顧客は「チャットボットと会話する」というコミュニケーションを体験します。そして、チャットボットとの会話を続けるうちに、顧客はまるでヒトに接客されているように感じてきて、チャットボットに愛着を抱くようになるのです。
 
チャットボットに愛着を抱くようになった顧客は「困ったらチャットボットを使おう」と思うようになり、頻繁にチャットボットを利用するようになります。こうした事情により、チャットボットを導入したショッピングサイトのコンバージョン率が向上したという事例が多数報告されています。

チャットボットの命はシナリオ設計にあり

以上のようなチャットボット導入のメリットを享受するためには、チャットボットとユーザの間で起こる会話を適切に設計しなければなりません。チャットボットの会話は、シナリオと呼ばれる言わば脚本に当たるものにもとづいて実行されます。それゆえ、チャットボットの品質は、シナリオ設計に大きく左右されれるのです。
 
高品質なシナリオを設計するためには、一般に以下のような手順を実行する必要があります。

 

1.業務フローの整理とチャットボット導入箇所の特定

2.会話フローの設計と会話における文言の決定(会話フローとは会話の大まかな流れのこと)

3.デモ環境を使ったチャットボットの動作確認

4.チャットボットと外部環境との連携の確認

 

以上のようなシナリオ設計のプロセスにおいてはいつくかの注意点がありますが、とくに重要なのは「顧客の属性を意識した文言作り」と「例外処理の設定」です。
 
「顧客の属性を意識した文言作り」とは、ターゲットとしている顧客に好まれる文言を選ぶべき、という注意点です。具体的には、一般に年配の顧客には丁寧な敬語を使い、逆に若年の顧客にはあえて敬語を多用しない、というように顧客ごとに相応しい文言を選択すると、顧客はチャットボットに好印象を持ちます。
 
「例外処理の設定」とは、チャットボットが対応できない状況が発生した場合の処理を実装すべき、という注意点です。こうした例外処理は、一般には有人オペレーターに引き継ぐというものになります。

 

以上にようにシナリオが適切に設計されれば、チャットボットを導入することによって多くのメリットが得られます。反対にやみくもにチャットボットを導入しても、導入によるメリットは薄いでしょう。それゆえ、チャットボットの導入を検討する場合には、どの業務をどのようにチャットボットに実行させるか、という明確な目的意識を持つことが重要なのです。