行政サービスにも進出するAIとチャットボット

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AIとチャットボットは、定型的な情報処理が多くを占めている業務を代替することを得意としています。こうした定型的な業務の事例には、実は各種行政サービスが挙げられます。そこで本記事では、行政サービスに活用されるAIとチャットボットの事例を紹介します。

納税に関する問い合わせにチャットボットを実証試験する東京都

株式会社NTTデータ・グローバル・テクノロジー・サービス・ジャパンは、2018年5月1日、東京都内の納税者からの問い合わせに対して自動で対応するチャットボットの実証実験を実施することを発表しました。
 
東京都は、2017年12月、『見える化改革報告書「税務行政」』を発表し、納税者からの意見・要望等を反映させる仕組み作りと納税者サービスのさらなる向上を目標にかかげました。こうした目標を達成するために、納税者からの問い合わせ業務にチャットボットを導入することで、24時間365日応対できる体制を作ることに決定しました。
 
以上のチャットボットの開発には、NTTデータが提供しているチャットボットシステム「Repl-AI」が採用されました。同システムはプログラミングの知識がなくてもチャットボットの開発ができることを最大の特徴としており、豊富なチャットボット・テンプレートも揃っています。そして、東京都が同システムに自動車税に関して蓄積されているFAQデータを提供したことで、自動車税の問い合わせに対応できるチャットボットが完成しました。
 
NTTデータは、今回の実証試験の成果をふまえて、行政に関する問い合わせに応対するチャットボットを全国の地方自治体にも普及させることを計画しています。

選挙にも活躍する「AI & Robot Solution」

地方自治体向けソフトウェア開発を行っている行政システム株式会社は、AIを活用した地方自治体向けのソリューションを提供しています。
 
同社が開発しているAIシステムは、日本国内に多くのユーザがいるLINEを活用し、さらに自然言語処理において多くの実績のあるIBM Watsonとも連携しています。こうした仕様により、同システムは地方自治体の多くの住民が親しみんでいるLINEを使いながら、多様な行政サービスの応対に導入された実績があります。
 
同システムは庁舎のフロア案内や観光案内といったAIチャットボットが多用される典型事例で導入されているのはもちろんのこと、選挙活動でも活躍しました。近年、選挙権の年齢引き下げに伴い、若年層の選挙啓発が不可欠となりました。こうした若年層の選挙民をターゲットとして、同システムを実装したロボットが開発されました。このロボットは、選挙に関連したクイズを出題することで、若年選挙民の関心をひきました。

粗大ごみの受付を行う福岡県福岡市のLINEチャットボット

レンタルサーバをはじめとしたインターネットサービスを提供しているさくらインターネット株式会社は、2018年9月19日、福岡県福岡市における粗大ゴミ収集業務にAIチャットボットを導入する実証試験を行うことを発表しました。
 
福岡市では、「福岡市LINE公式アカウント」にメッセージを送信するだけで、ゴミの分別方法を答えてくれるチャットボットサービスをすでに導入していました。今回の実証試験は、こうしたゴミ分別に関する事例をふまえて、粗大ゴミ収集の申し込みに応対するチャットボットを導入します。
 
以上のような粗大ゴミ収集に関して応対するチャットボットは、福岡市が公開している二次元バーコードを使ってLINEに友だち登録することで利用可能となります。友だち登録後、同チャットボットを起動すると粗大ゴミの個数と収集先の住所等を入力します。さらに、LINEのトーク画面から収集希望日と搬出場所を選択します。すると仮受付が完了し、後ほどメールアドレスに本受付メールが送信されます。このメールを受信してから粗大ゴミ処理券を購入し、処理券に必要事項を記入して粗大ゴミに張り付けて、チャットボットで指定した収集日と搬出場所に粗大ゴミを出すと収集されるのです。こうしたチャットボットが正式採用されれば、福岡市住民は同市職員による応対なしで粗大ゴミを出せるようになります。

 

行政サービスのような定型的な情報処理が多い業務にこそAIやチャットボットが導入されると、業務効率が劇的に向上することを期待できます。近い将来、行政サービスにAIとチャットボットの導入が進めば、スマホやスマートスピーカーに話しかけるだけでAIが行政サービスを提供してくれるようになるかも知れません。