EC化率40%超え!nano universe が考えている本当の狙いとは?

カテゴリ:デジタル接客

※本記事の内容は、2018年12月のお役立ち資料(株式会社ナノ・ユニバース経営企画本部WEB戦略部長・越智将平様の登壇内容)を加筆修正したものです。 

【お役立ち資料URL】https://www.ok-sky.jp/filedownload/20181216ochi/

目指したのは、リアル店舗とECの融合

nano universe は2002 年、東京・渋谷の小さな路面店から始まり、2018 年にはファッションビルを中心に全国68 店舗を展開しています。ECにも注力をしており、主要なEC モールはもちろん、自社EC モールでも展開しています。

2018年のEC化率は43%以上と、業界平均よりもはるかに高い数字を出しています。

ただし、nano universe は、EC をメイン販売チャネルと考えているわけでは全くありません。私たちが描いているのは、「リアル店舗とEC の融合」です。

言い換えると、リアル店舗とEC モールの同時的かつ相乗的な成長を目指すということです。

nano universe では2015年よりオムニチャネル戦略を始め、今では販売チャネルの中心はモバイルになっています。

それにともなって、スマホのディスプレイで見たときに、視認性の乏しかった旧ロゴを、視認性の高い現在のロゴに変更して、スマホからでも「nano」の文字を見やすくしました。

このロゴ変更が、販売チャネルの中心にモバイルを置くというnano universeの決意表明でもあったのです。

オムニチャネル化だけでは先がない

繰り返しますが、nano universeはただEC化率を上げることにこだわっていたわけではありません。

2013年からすでにECとリアル店舗の連携を模索していました。

その理由は、中小規模都市圏に出店した店舗を中心に、人口減少が原因と思われる売上の低下が見られたためです。

日本の人口は2043年には2013年比で約2,000万人減少すると予想されていて、こうした人口減少の影響は、小売業界とって大きな危機だと言えます。

もはや今まで通りの販売戦略で成長を維持するのは難しい局面に立たされている。

我々は、当時、以下のような考えを抱くようになりました。

① 少子高齢化による人口減少の影響が顕在化し、小売業界に暗い影を落とす。

② 小売業界ひいてはファッション業界における顧客とのリアルな接点であるリアル店舗の売り上げが右肩上がり。

③ リアル店舗の業績回復のために、ECとの連携を深めるオムニチャネル戦略を施行。

④ 近年の技術革新によりチャットのようなリアル店舗に近い接客をECでも実現できるようになった。テクノロジーによりECを充実させると、逆説的に顧客がリアル店舗に足を運ぶ動機が乏しくなるという事態に陥る。

⑤ 現在はECの業績が伸びていると言っても、長期的に見れば国内市場だけではいつの日か成長が止まることが予想される(海外展開すれば、話は別だが)

こう考えると、ただオムニチャネル化だけに注力しても、店舗の売上がECに食われるだけで、先の見通しが明るくないのが分かります。

ここで、リアル店舗とEC モールの同時的かつ相乗的な成長を目指す、という目標を掲げるにいたったのです。

モバイルアプリには「裏」の顔がある

nano universeのモバイルアプリは、シンプルな構成でローディング時間も短くなるように設計されており、ユーザに手軽にファッションアイテムをチェックしてもらい、購入につなげることを狙っています。

ただし、このモバイルアプリにはECアプリとは別の「裏の顔」が隠れています。

それは、「クロスユース」におけるハブ ― 顧客の流れの結節点 ― という顔です。

つまり、

①リアル店舗の顧客に「モバイルアプリ」のユーザになっていただく。

②その後、アプリユーザが再びリアル店舗に来店するサイクルを構築する。

その起点にアプリを配置しようという戦略です。

統計的に見れば、「ECとリアル店舗の両方を利用する顧客」は、「EC / リアル店舗 のどちらか一方を利用する顧客」より年間購入額が高く、クロスユース戦略は小売業界の窮状を救う一手と言えるわけです。

そして、このクロスユース戦略は、5つのプロモーションの戦術がひとつのサイクルとなったときに完成できるよう計画されています。

#1 (Download App)リアル店舗で顧客にアプリをダウンロードしてもう。

#2 (Offline to Online)アプリをダウンロードしてもらうことで、リアル店舗の顧客がアプリユーザになる。

#3 (Contents & Srvice)アプリユーザにコンテンツとサービスを体験してもらう。

#4 (Online to Offline)アプリユーザに再びリアル店舗に来店してもらう。

#5 (Remarketing)以上のサイクルから得られた顧客情報からマーケティングを見直す。

クロスユース戦略を実現するための5つの戦術

この5つの戦術を一つずつ簡単にご説明します。

 

#1 店舗スタッフによるアプリの拡散

nano universeのモバイルアプリは、リアル店舗で利用する会員証として機能するよう設計されています。

リアル店舗では会員登録という名目で、顧客にアプリのダウンロードを勧めるようにしています。

つまり、リアル店舗の店員がこのアプリのプロモーションを担っているというわけです。

nano universeには全国に700人のリアル店舗の店員がいるので、アプリのプロモーションのために予算を組む必要がないのです。

 

#2 プッシュ通知で、アプリの利用を促進

nano universeアプリにはMarketing Automation、いわゆるMA機能が実装されています。

そのため、同アプリをダウンロードした顧客は、適切なタイミングでアプリの閲覧を促すプッシュ通知を受け取ることになります。

こうして、モバイルアプリを通じてリアル店舗の顧客をアプリに引き入れていきます。

 

#3 チャットを使った接客体験を提供する

新たなアプリユーザーに長く滞在してもらうためには、アイテムの陳列だけでなく、コンテンツの充実が不可欠です。

なぜなら、巨大ECサイトでは体験できない魅力的なコンテンツがあれば、ユーザはブランドアプリの利用を優先的に使うようになるからです。そのために、nano universeアプリでは、自社制作したバイヤーによるファッション動画を配信しています。

また、nano universeでは、チャットによる接客をWEBサイト同様、アプリでも展開しており、有人オペレーターとチャットボットを併用するハイブリッド体制で、ユーザーの接客が可能になっています。

これまでの経験から、チャットというチャネルでのみ見られる特有の問い合わせがある、ということが分かっています。

チャットは、電話やメールより気軽に問い合わせてもらえるという特徴があるためです。

例えば、19歳男性から「どうしたら他人と差がつきますか」という問い合わせがありました。この問い合わせは、いわゆる「デジタルネイティブ」な世代のユーザによってチャットこそが本音を語れる場であることも示していると言えます。

#4 アプリで来店を誘導する

アプリを楽しんでもらったら、次はアプリユーザを再びリアル店舗に来店してもらう施策が必要です。

nano universでは、ビーコンを利用して、リアル店舗に来店した時に自動的にスタンプを押す機能を実装しました。この機能により、アイテムの購入を目的としなくても、来店してもらう動機を創出することができました。

また来店前にリアル店舗の在庫をチェックできる機能も実装。事前に購入したいアイテムをマイストアに入れておくことでリアルタイムに在庫状況を確認できます。お客様のショッピングが円滑に進みますし、店員もマイストア画面をきっかけに接客することができるようになるのです。

ユーザがリアル店舗の近くにいてなおかつ店舗にお気に入りに登録していた商品がある場合は、プッシュ通知で商品があることを知らせる試みも行っています。この機能は、ユーザが店舗から200メートル以内に近づいた時に作動する仕組みです。

#5 店舗の集客を支援する導線づくり

今後の展開として、リアル店舗における顧客行動に関する情報をより詳細に収集する予定です。収集した顧客行動に関する情報は、アプリのプッシュ通知のタイミングや内容に反映させ、アプリからリアル店舗への導線をさらに強化していくつもりです。

チャット接客が爆発的にコンバージョン率を上げる

先ほども少し触れましたが、最後にチャットの効果についてお話します。

nano universeのサイト全体におけるCVR(サイト訪問客が購入にいたる割合)は、1%でした。

それに対してチャットを利用した顧客のCVRは、直近の2年の運用において平均して25%になっています。

チャットによる販売では有人対応が発生するため対応できる顧客数に限界があるものも、チャットによるデジタル接客は明らかにECの売上に大きく貢献しています。

さらにチャット接客を体験した顧客の35%は、リアル店舗に来店してアイテムを購入しています。

ちなみにチャットを介さずに、来店した顧客がアイテムを購入している割合は7%です。

比較するとチャットの影響によって購入率が大きく伸びているのが分かります。

こうした数字の背景には、チャットによってバーチャルな対面接客を体験するとリアルな接客も体験したくなる、という顧客の嗜好があるのではないかと思っています。

以上のような実績から、チャットによるデジタル接客は業務効率化やコスト削減の実現というのもありますが、

むしろ顧客満足度の向上によって売上に大きく貢献する、と言えるのではないかと思います。

そして、接客ツールとしてのチャットおよびチャットボットの今後の進化を加味すると、これらのツールの貢献度はさらなる伸びしろが期待できると考えています。

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